やる気がある若手社員はなぜ離職してしまった? 転職経験者が語る!

仕事

突然ですが、私は社会人になってから2年目のOLです。
先日1年と8ヶ月働いていた会社を辞めて、人生で初めての転職をしました。
前職の会社は大好きで、人間関係にも特に悩みはなく、
お給料も十分しっかりいただいており、仕事でもやりがいを感じていました。
何より、自分が幼い頃からの夢だった「出版業界」で働くことができていました。
私は、まさに”夢を叶えていた状態”だったのですが、
しかし、それでも”仕事を辞める”という選択肢を選ぶことになってしまいました。

当時の私は、まだ若手でやる気もあり、「誰よりも結果を残すぞ!」というガッツで残業を厭わずバリバリ働いていて、
周囲との人間関係も比較的良好だったのに、突然の「退職」をすることになってしまって、
周囲からは「なぜ?」と驚かれるような辞め方だったかもしれません。

今回はそんな「やる気のある若手」だった私が、
なぜ「退職」と「転職」を決意することになったのか、実体験をお伝えしていこうと思います。
「仕事を辞めるか悩んでいる人」や、
人事などに在籍しており、「若手がどんどん辞めていく…」などの状況でお困りの方に、
参考にしていただけたら嬉しい限りです。

1.転職を考えたきっかけ

転職を考えるようになった理由は、いくつかありましたが、
そのうち大きなものは「望むキャリアを送れる未来が見えなかった」、
そして「職務への適性がなく、仕事に強いストレスを感じていた」からです。

一つ目の「自分が望むキャリアを送れる未来が見えなかった」ですが、
これは自身にとって転職を決断することになる大きな理由の一つでした。

私は夢だった「出版業界への就職」を叶えた訳ですが、
さらにその先のやりたいことが本を作る、「編集」という仕事でした。

前職では、「営業」に配属され、慣れない仕事に苦戦しながらもやりがいを見出していたのですが、
自身のキャリアや会社の状況を考えた時に、
「若手のうちから編集者として活躍したい」と思う自分にとって、
それが叶えられそうにない状況のように思えました。

あと、数年編集以外の職を経験して、異動して編集者になる…のでは、遅いような気がしたのです。
30代に差し掛かれば、もっと早くから活躍している編集者の方々に比べて、
キャリアのスタートが遅れてしまいますし、
ライフプラン、例えば結婚やその後の子育てなどを考えた時に、
バリバリ働けるのは20代~30代前半で、その間に編集者にならなければ、
キャリア全体が滞ってしまう、という感じがしたのです。

職場に不満が強くある訳ではなかったのに、
「望むキャリアが叶えられそうにない」というのは、
コツコツ目標から逆算して道を歩いていきたいタイプの私には、方向転換を志す一つのきっかけとなりました。

また、二つ目の理由「職務への適性がなかった」ですが、
これもまた私にとっては転職を決意する非常に大きな要因の一つでした。

先に言及したように、入社して「編集志望」でありながら、「営業」に配属されたのですが、
「営業」という仕事は自分にとって、苦手なことを毎日しなければならない、精神と肉体的に負荷のかかる大変な仕事でした。

毎日朝から晩まで外回りをして、
アポイントの電話をかけ続けてたくさんの人に会って注文を取って、
くたびれて家に帰ってくる、という働き方が致命的に自分には合っていないように感じたのです。

どちらかというと、内向的なタイプの自分には、
たくさんの人と会う、トーク力勝負で営業をする、体力的なタフさが必要とされる…などの点が、
苦手な分野で闘っているという感じがして、ストレスを常に感じ続ける要因となりました。

ただ、「営業」を経験したことは非常に自分にとって、
プラスになったこともあり、
内向きすぎる自分の性格が改善されたり、
非常に多忙で苛酷な状況を経験できたことで、肉体と精神的なタフさが身につき、
また現場を知ることができるとても貴重な経験を積むことができました。

それでも、望むキャリアが得られなさそうな環境で、
苦手なことをし続ける状況にフラストレーションが溜まってしまい、
最終的には転職を決断することとなりました。

2.転職を決意した時のこと

そんな風に、転職をぼんやり考えていた私ですが、
それが決定的になった出来事があります。

大部分の人に対しては、突然の転職報告となった私ですが、
それまで、一応社内の信頼のおける方々に、「転職を考えている…」と何度か秘密裏にご相談をしたこともあります。

その度に何度も現職に留まろうと、ギリギリのところで考え直していたのですが、
最終的に臨界点が来て、上司に「職務に対して適性がなく、モチベーションを保ち続けることが難しい」「体力的なしんどさがある」という相談を持ち掛けた際、
「異動はできない」「なんとか頑張り続けてほしい」との旨を伝えられたことがありました。

自分としては、心身の健康を保ちながら、より自身の強みを活かせる環境へ異動を願ったつもりでしたが、
その可能性が断たれてしまい、それならば当時働いていた職場と道を分かつしかないと思うようになりました。

転職を考えている人は、それまで何度もサインを出しているかもしれません。
今すぐ辞めたい、という後ろ向きな人は別ですが、
できれば仕事を続けたいのに何かしらの要因で続けることができない、というケースの社員に対しては、
それを気合と根性で乗り越えてもらおうとするのではなく、
まずそのサインに気づいてあげて、今すぐはなんとかするのは難しいとしても、何かしら現実的な解決策を当事者といっしょに話し合うことが必要なのかもしれません。
(少なくとも、私はその時そんな風に思いました。)

3.どうやって転職したか?

私は現職を続けながら、合間に転職活動を行いました。
特にお休みなどもいただかず、転職先の会社で面接を行ったり、
対策をしたり、人事の方とご相談をしたり、進めていました。

「営業」の仕事は自分で仕事のコントロールがしやすい一方、
内勤ではなく、スケジュールとしても忙しいことが多いので、
仕事と転職活動の両立は非常に難しい部分もありました。

また、「転職」を伝えた際、繁忙期に差し掛かりそうな時期であったり、
まだ若手だったこともあって、
やはり引き留めを受けましたが、次にやりたいことが決まっていたので、
少し強引な形で、ある程度の余裕を持った退職日を伝えることになりました。

当時の職場に対して、道半ばで辞めてしまうことや残るメンバーに対しての思いもあったので、
有給は消化せず、最後の一日まで働いていましたが、今考えれば有給をこちらも強い気持ちを持って、
取得したいと伝えるべきだと思いました。有給取得は労働者の権利でもあるからです。

4.実際、転職した後の話

その後、転職して、現在は別の職場で働いています。
転職活動自体は、非常に恵まれたもので、出版業界から離れることなく、
自分のやりたい「編集」という仕事を叶えることができました。

転職する前は、「目の前の辛い状況から逃げ出していいのか」「転職したらお先真っ暗なんじゃないか」「もう少し、あと一歩だけ頑張ればなんとかなるんじゃないか」と、
そういうことばかり考えていました。
けれども、実際に転職してみて、
キャリアアップすることができ、働き方も改善されて、かつ自分のやりたいことを経験することができています。

仕事も非常に楽しく、やりがいも感じていたのですが、
毎日「この1日が早く終わってほしい」「月曜日が来るのが涙が出るほどつらい」と感じていた状況から、
脱することができて、非常に自分にとっては働きやすく、
またより前向きな気持ちで仕事に臨むことができています。

前職に対して、未練はあるものの、
この選択に対して、後悔はない、という気持ちです。

一昔前と比べて、現在は終身雇用では無くなり、
転職をすることが当たり前の時代になってきています。
初めての社会人で目の前しか進める道がないと感じていた自分に、
辛くてもなんとか我慢してギリギリまで耐えようとしている人に、
もっと他の選択肢があるんだよ、と伝えられたら、もっと楽になるかもしれません。

また、そんな転職が当たり前の”大転職時代”だからこそ、
会社はもっと一人一人の社員が前向きに、熱意を持って働ける環境を作れるよう、
意識すべきなのかもしれません。

以上、「バリバリ働く若手社員が、転職を考えたきっかけ」の実体験でした!
読んでいただき、ありがとうございます。

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