こんにちは。本の虫にっき管理人のdonutです。
今回の記事では、「ブラック企業で働くメリットとデメリット」について、
解説していきます。
「ブラック企業で働く」というと、
世間的には「今すぐ辞めた方が良い」とか「大変な環境すぎて、身体や精神を壊してしまう」とか様々なマイナスのイメージがついているのではないかと思います。
ですが、私は”ブラック企業で働くこと”については、
実は大きな声では言えない、
苛酷な環境だからこそのメリットがあるのではないかと思います。
私自身が新卒で入社した会社の「地獄のような環境」の経験談を元に、
ブラック企業で働くことについて、改めてメリット/デメリットを紹介していきます。
今現在ブラック企業で働いて、転職を悩んでいる方や、
「ホワイト企業で働いているけど、緩すぎて将来が不安…」という方など、
今の職場にもやもやを感じている方にぜひ読んでいただけたら幸いです。
新卒で入社した会社が「隠れブラック企業」だった話
私は、新卒でとある企業に入社しました。
元々、小さな頃から私は将来の夢というか、
やりたい仕事があったのですが、
新卒では運が良いことに、
自分が心からやりたいと願っていた業界になんとか潜り込むことができました。
「さあ~これから毎日やりたい仕事が思う存分できる、
ハッピー社会人ライフの始まりだ!」と当時思っていた私は、
今思うと、かなり甘かったのだと思います。
新卒で入ったその会社は辞めた今振り返って考えると、
「隠れブラック企業」だったかもしれません。
私はとある部署に配属されたのですが、
3か月後には月曜の朝5時頃~金曜の23時頃までほとんど仕事に拘束されるような、
生活が始まりました。
休日も休まっているような感覚がなく、
ストレスで日曜日の夜、涙が出てくる始末…
先輩社員もどんどん辞めていったり、
体調を崩して休職したり…など、
その職場で働いていることが毎日不安で不安で仕方ない状況が1年以上続きました。
平日はとにかく尋常じゃないぐらいの忙しさで、
飲み物を飲んだり、昼食を食べたりする時間すら取れず…
そのうえノルマにも追われるなど、精神的追い詰められる環境だったのですが、
その会社は対外的には「ホワイト企業」と思われているような会社で、
実際、残業代はきちんと支払われていましたし、
残業を減らすような動きもありました。
また、会社の同僚たちはみな、とっても良い方々ばかりでした。
一般的にブラック企業と呼ばれる会社は、
・長時間労働
・サービス残業
・上司や同僚からのパワハラやセクハラが行われている
・給料が低い
などの特徴がありますが、
こうしたところの働き方の制度や環境は、
むしろ表面的に見ると、働きやすいよう整えられていました。
ですが、それでもなお私がその会社を「隠れブラック企業」だと感じたのは、
次でご説明するような特徴があったためです。
「隠れブラック企業」の特徴! これに当てはまったら可能性があります
私が入社した会社には下記のような特徴がありました。
・到達不可能な事業目標・個人ノルマが課されている
そのうえで、現場へのノルマの締め付けが激しい
・個人の意志や希望を尊重しない配属や異動がある
・経営方針がコロコロ変わる
・仕事の中で、課題や問題に直面しても「気持ち次第でどうにかできる!」と、
精神論で片付けられてしまう
・上意下達的な社風(現場や若手の意見は吸い上げられない)
・残業は減らすように言われるが、業務は減らない
・評価制度が非常に曖昧
・そもそも、ビジネスモデル自体に構造的な問題がある
いろいろと特徴を羅列しましたが、
整理すると「そもそも構造的な問題によって、成果が出せていないにも関わらず、
現場に到達不可能な目標を課し、ついていけない社員を切り捨てていく」、
という感じだったと思います。
それによって、現場で実際汗水たらす若手~中堅層が、
体調を崩したり、メンタルを病んだり、次々と離脱していきました。
考えてもみてください。
入社前は「最高の環境だ」というイメージで入社し、意気揚々と入った会社が、
実は漫画によく登場するイメージのような、
ムチ打たれながらひたすら棒を押し続けて、ぐるぐると回転させる奴隷的状況だったら…
「こんなことに意味があるのだろうか?」と思いながら、
自分にはどうすることもできないので、
「とにかくもっと速く回そう」と思って頑張るしかなかったら…
働いていた当時もボロボロすぎてきつかったのですが、
転職した今、改めて振り返ってもやはり非常にキツイ環境ではあったと感じます。
「戻りたいか?」と聞かれると、
「絶対に戻りたくない」と答えますが、
それでも、あの場所・あの環境で新卒の頃に働いていたからこそ、
得られたメリットや経験があります。
次ではそんな、「ブラック企業」のような場所で働いたからこそわかる、
メリット/デメリットについて改めてご紹介していきます。
「隠れブラック企業」で働いてわかったこと
ここからは「隠れブラック企業」で働いたからこそわかったメリット/デメリットについて、
解説していきます。
メリット
まずはこうした「隠れブラック企業」や、
いわゆる「ブラック企業」で働くことのメリットについて紹介します。
自分のキャパシティを広げられる
一つ目のメリットは「自分のキャパシティを広げられること」です。
これは新入社員の頃から、
あえてキツイ環境で働くことによる大きな利点でもあります。
よく起業したり、ある程度キャリアのあるビジネスマンが、
「若手の頃に苦労した」という話をしているのを耳にしたことがあるかもしれませんが、
自分自身のキャパシティを超えた大変な環境で働くからこそ、
肉体的・精神的な自らの限界を知り、それを超えていくことができます。
私は新卒で入った会社を1年半で辞めて、
別の会社に転職しているのですが、
転職した今でも、何かキツかったり、大変なことがあった時に、
「でもあの経験を乗り越えられたから」とか、
「自分はもっとやれる」と自信を持って業務に取り組むことができるようになっています。
全力を出し切らないといけないぐらいの苛酷な環境で頑張る経験があるからこそ、
その後の社会人生活でも、へこたれたり諦めたくなるような状況でも、
踏ん張って粘り強く頑張ることができますし、
自分の限界を知っているからこそ、
「あれ、今自分サボってるな。もっと頑張れそうだぞ」と、気づくことができます。
こうした、「自分のキャパシティ」や「限界」を超えていけることは、
大変な環境を経験したからこそ得られた成果だと感じます。
身体的にも精神的にも強くなる
また、「身体・精神がタフになる」というメリットもあります。
社会人になる前の私は、
繊細で人の目を気にしがち、またとても内向的なタイプだったのですが、
大変な労働環境を経験する中で、
一皮、二皮もむけて、少しのことでは動じない精神力や、めげない心を身につけ、
体力面でもよりタフネスになったと感じます。
また、私と同じ部署にいた方も、
入社前と後では、性格がより「積極的になった」とか「明るくなった」と語っており、
仕事を通じて「前向きになった」ことを実感していました。
一度このような経験をしておくと、
後々、別の職場に移った後も、少しのことでメンタルや体調を崩したりしなくなり、
より目標に向かって、頑張ることができるようになるので、
こうしたことはブラック企業で働いたことによる恩恵の一つだと言えるかもしれません。
短期間で一気に成長できる
さらに、「短期間で一気に成長できる」というメリットもあります。
ブラック企業に入社すると、
多くの場合で、自分の限界を超えた苛酷な環境での労働を求められます。
私の場合は、ほとんど研修がない状態で現場にぶち込まれたり、
新人にはあり得ないほど多数のクライアントを任せられたり、
入社して数カ月後にはノルマを達成することを求められたり…
手厚い研修やサポートはなく、かつ人員不足な状況があったため、
とにかく一刻も速く、結果を出せるように社会人として成長する必要がありました。
そのため、クライアントへの礼儀やマナーなど基本はもちろん、
いかにしてノルマを効率的に達成していくか、
限られた時間の中でどう業務をこなしていくか、
仕事にどう優先順位をつけていくか…、など、
必要性に駆られて、仕事において重要な思考のトレーニングができたと思います。
ブラック企業で働くことを全面的に肯定したいわけではないのですが、
このように、新人でもすぐに成果を求められる苛酷な環境だからこそ、
いわゆるホワイト企業で温室のような環境で働く人に比べると、
短期間で一気に成長できるメリットがあるとも言えるでしょう。
現場目線が身につけられる
その他、少し別角度ですが、
「現場目線が身につけられる」というメリットもあるかもしれません。
私が配属された職場は特に営業だったこともあり、
初めから内勤だった方に比べて、
若手のうちに苛酷でありながらも、現場に立って、
クライアントやユーザーと近い距離で接することができたのは、
今後のキャリアのうえでも大きな経験となりました。
いわゆるブラック企業と呼ばれる会社や職種の場合、
長時間労働だったり、業務量が多いのは、
私のように現場にあたっていたり、
下請けや、0→1を生み出す環境の方が多いのではないかと思います。
こうした仕事は大変ではありますが、
エンドユーザーとつながれるまたとない機会だったり、
一次情報と呼ばれる、現場にしか落ちていない貴重な情報を拾ってくることができる環境です。
このような現場目線が身につけられるというのは、
昇進して中間管理職になったり、起業して経営層になったりする場合にも、
なくてはならない視点だと感じており、
それが若手のうちから身につけられることは、大きなメリットにもなり得ると感じています。
デメリット
一方、デメリットについても紹介していきます。
身体的・精神的健康を損なう可能性がある
やはりこれが最大のデメリットだと思います。
ブラック企業で働くと、先に述べたように、
自分のキャパシティを超えて一気に成長できるというメリットがある反面、
あまりに無理をしすぎて、
体調を崩したり、メンタルが追い詰められたりするケースは往々にしてあると思います。
実際、私の職場でも、
複数の若手社員が身体・精神的な健康を損なって、
休職したケースを見てきました。
ただ、こういった場合も、
自分の限界がわからず、やみくもに働き続けてしまった結果だと記憶しているので、
ブラック企業で働く際には、
ペース配分や自分の健康状態をコントロールしたり管理する力が、
必要になってくるのかもしれません。
視野が狭くなる
また、「視野が狭くなる」というデメリットもありそうです。
ブラック企業で働く場合、多くのケースにおいて、
長時間労働だったり、とにかく納期やノルマに追われたり…という働き方が多いと思います。
こういった働き方をしていると、
仕事の中で「思考停止」をして働くしかなくなり、
とにかく割り当てられた業務や日々の仕事を、
ひたすら馬車車のように、こなすしかない…といった状況に陥りがちです。
また、業務の面でも、
上層部から降りて来た目標や仕事がどんなに不可能で、
意味がないことだと思えても「とにかくやるしかない」という状況で、
「本当にこれは達成可能な計画ですか?」とか「この業務は必要ですか?」など、
本質的なことや、多様な考え方に目がいかなくなります。
さらには、身体的・精神的にも、
労働時間が長かったり、苛酷な働き方をしているために、
ゆっくりと落ち着いて自分のキャリアややりたいことについて考える時間や、
将来への投資やスキルアップのための勉強に時間を使えなかったりと、
自分の将来への視点も視野が狭くなってしまう恐れがあるでしょう。
とにかく、思考停止して目の前の仕事をするしかない…、
そういった状況になってしまいやすいのがブラック企業のデメリットです。
働き方の効率が悪くなる
さらに、「働き方の効率が悪くなる」といったデメリットもあります。
ブラック企業の場合、多くのケースで、
長時間労働をすることになるかもしれません。
長時間労働の働き方が当たり前になってしまうと、
元々、残業しないで通常の就業時間内にきちんと業務を終わらせようと思っている人に比べると、
実は「生産性が下がってしまう」ということは、あり得る話だと思います。
よく「日本人は働きすぎである」とか、
海外では「夕方になるとみな退勤している」といった話がありますが、
こうした働き方の特徴は「生産性」につながっていると思われ、
日本は「仕事の生産性」で比較した際、OECD諸国の中で、38ヵ国中31位だそうです。
(参考:https://www.jpc-net.jp/research/list/comparison.html)
日本は先進国にも関わらず、
非常に「労働生産性が低い状態」で働いているのです。
これはやはりブラック企業などでよく見られる、”長時間労働”こそが美徳である、
という風潮が残っているためかもしれません。
私も転職してから、自分がいかに「長時間労働」することが大事だ、
という価値観の元に働いていたか、今の職場で気づかされました…。
本当はやらなくて良い業務や、
もっと効率の良い方法があるはずなのに、
まさに”思考停止”のような状態になって、働き方の効率が落ちてしまう可能性があるのです。
結局、ブラック企業で働くことはおすすめできるか?
ここまで、ブラック企業で働くメリット/デメリットについて、
紹介してきました。
ブラック企業で働くことは、
良い側面も、悪い側面もあるということはご理解いただけたのではないでしょうか。
では、結局ブラック企業で働くことは、おすすめできるかどうかというと、
私個人の意見としては、
「若いうちであれば大変な環境を経験しておくのは悪いことではない」と思います。
新卒でいわゆるホワイトな大手企業に内定して、
手厚い研修やサポートを受け、仕事を始めてもこなしやすい業務を任されていると、
「仕事がキツい」とか「辛い」と思うことはないので、
仕事に重きを置いていないのであれば、その方が良いのかもしれません。
ですが、仕事を頑張りたいのであれば、
若手のうちに、自分の成長が感じられたり、現場の視点を身につけられたりできる
大変な環境を経験することは、
その後のキャリアや人生のうえでも、大きな糧になるのではないかと感じます。
私はここまで何度か述べてきたように、
新卒で入った会社がとんでもなく忙しく、常にノルマに追われて、
精神や体力的にも疲弊していくような環境を経験しましたが、
それでもなお、その環境にいたからこそ、
粘り強さや諦めない気持ち、やり抜く強さ、自分のキャパシティの広がりや、
大変なことを乗り越えられたからこそ、人間としての成長ができたと感じます。
具体的に言うと、性格が積極的になったり、
物事に対してストイックになれたり、今の自分を形成する一つの良い経験でした。
その後、仕事を転職したのですが、
今働いている会社は、前職とは真逆で、超のつく「ホワイト企業」です。
ほとんど残業はありませんし、
個人のワークライフバランスを最大限尊重してくれる会社です。
ですが、やはり「少し物足りないな…」と思うこともあり、
やはり一社目で感じた、
成長スピードを感じるかと言われればそこまでではないかもしれません。
ただ、忘れないでいただきたいのは、
ブラック企業で働くことは非常に注意が必要なことでもあり、
健康やメンタルを損なってしまう人もいるので、
あまり繊細すぎる人には向いていない環境かもしれません。
また、その働き方や企業体質を考えると、
長く居続けられる環境でもないかもしれません。
ですので自分の意志で、
「あえて大変な環境を選んで成長するぞ! 成長できたら次のステップに進もう」と思える人は、
ブラック企業で働くことはむしろ成長の機会になり、良いのかもしれません。
ブラック企業で働くことにはメリットもデメリットもあります。
よく考えて、自分に合った職場を選べることを願っています。
まとめ
以上、今回の記事では、
ブラック企業で働くメリット、デメリットについて紹介してきました。
いかがだったでしょうか?
「ブラック企業で働く」というと悪いイメージしかないかもしれませんが、
実はその環境でしかないチャンスの機会でもあります。
この記事が今まさにブラック企業で働いていると感じている人や、
今の職場が「なんとなくしっくりこないな…」という方のヒントになれば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
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