Z世代が持つ仕事への価値観、理想的な働き方とは? キャリアやワークライフバランスについて紹介

仕事

私は現在20代の半ばで、
1990年代~2010年代前半に生まれた若者を示す「Z世代」のうちの1人です。

普段私は「Z世代だから~」と思うことは全くありませんが、
働いている職場で上司と話したり、
仕事に対する向き合い方について、
自分より上の、例えば30~40代の世代とギャップがあると感じる瞬間が時折あります。

例えば、上の世代は、
飲み会が大好きだったり、転職は反対だと思っているタイプの人が多いと感じたことなど…

今回は「Z世代」に位置づけられる私が、
仕事に対してどんな価値観を持っているか、どんな働き方を好んでいるか、
「飲み会や上司との付き合い方は?」「昇進やキャリアは?」「リモートワークと出社どっちがいい?」など、
様々な点について、Z世代の周りの知人や私自身の意見を紹介していきたいと思います。

「Z世代が考えていることがわからない…」とか
「下の世代とどうにもうまく付き合えない」と感じている方々に、読んでいただき、
Z世代の頭の中を少しでも知っていただけたら嬉しいです。

1.仕事に対する価値観は?

まずZ世代が持つ仕事に対する価値観です。

「Z世代の人は昇進や仕事に対するモチベーションが低い」、
というイメージをお持ちの方も多いのではないでしょうか?

実際、どうなのかというとその傾向はたしかに強いです。
同年代と話している時も、
「仕事はそこそこでプライベートや遊びを楽しみたい」、
「マネージャーになると残業が増えたりして大変だからなりたくない」という声をよく耳にします。

昭和まではとあるCMの「24時間闘えますか?」というキャッチコピーのように、
仕事に全力投球して、お金を稼ぎ、終身雇用を前提に昇進を目指すという、
気合と根性の価値観が現在は薄らいでいると感じます。

それよりも自分のプライベートや自分に合った働き方、価値観に、
現在の仕事が合致しているかどうかを重視している
ようです。

周囲のZ世代の友人と話していても、
仕事に対してのモチベーションも、「昇進したい」というより、
どちらかというと「自分のやりたいことを成し遂げたい」という感情の方が強いように思います。

入った会社に尽くすという意識より、
「その会社で自分のやりたいことができないのであれば、転職して別の環境を選ぶ」という、
ある程度、ドライにも思える価値観を抱いていることが多いのです。

そういったZ世代の社会人に対して、
「仕事への熱意が感じられない」とか「採用してもすぐに離職してしまう」と感じている方も多いのではないでしょうか。

その場合、会社が提示しているキャリアや働き方が、
本人が望むものと異なっているのかもしれません。

必ずしも本人の希望を100%通すことが会社やその人にとって良いことではないかもしれませんが、
他の会社の情報や他者の働き方がネットやSNSを通じてよりオープンに可視化されるようになった今、
会社自体も他の会社と比べられ、選ばれているという意識が必要なのかもしれません。

「俺たちの時代はこうだったから」とか「気合で乗り越えられる」とか、
そういった考え方では、Z世代との間の価値観の違いは解決できないと思われます。

ちなみに、私自身の仕事への価値観は、
「できる限り仕事に全力投球したい」と思っています。

ここまでのZ世代の価値観とはやや異なりますが、
それは自分にとって「仕事」と「やりたいこと」が「=(イコール)」だからです。

私は転職を早い段階でしているのですが、
それは前職の環境が自分のやりたいことを叶えられないと思ったため、
今の職場に変えることにしたのです。

その結果、自分の「やりたいこと」と「仕事」がぴったり一致して、
本当に楽しく、毎日生き生きと働くことができています。

このように、本人が大事にするミッションが成し遂げられる環境にいれば、
どれだけ残業しても構わないし、どれだけ働いても苦ではないと感じるZ世代もいるかもしれません。

「多様性」や「個性」が謳われるようになった時代を生きてきた、
Z世代は自分の最も輝ける環境で働きたいと願っているのです。

そして、それが叶えば、
仕事に対して誰よりも熱く、高いモチベーションと集中力を持って働くこともあるでしょう。

2.ワークライフバランスは?

続いて、ワークライフバランスについてです。

2019年頃から「働き方改革」が進んだこともあり、
以前のように「月残業80~100時間」や「質より量」「帰るのは終電が当たり前」という過酷な労働環境ではなく、
生産性を高めて残業をし過ぎず、健全に働こうという風潮に社会全体が変わってきています。

それに応じて、政府も改革を進めているため、
特に大手企業を中心にブラック企業からホワイト企業に変わり、
「残業しすぎないでね」と上司から言われたり、
「8時になるとオフィスが消灯してしまう」など、「働き過ぎない」仕組みそのものが整ってきています。

日本には働き過ぎで突然死してしまう「過労死」という死因がありますが、
こういった労働環境は元々日本独特のものでもあり、
働き過ぎで死んでしまう「過労死」という言葉は海外にないのです。
海外ではそのまま「karoshi」という言葉が採用されています。

このようなとにかく猛烈に働く時代を経て、
現在のZ世代は、ワークライフバランスについてどのように感じているのでしょう?

先の項目でも少し触れましたが、
Z世代はプライベートを重視するという意識が、前の世代に比べてやや強いかもしれません。

私の主観に過ぎませんが、
前の世代のように戦後高度経済成長期で働けば働くほど、
社会が盛り上がって賃金が増える、自分たちの仕事が日本経済の成長につながっているという実感に乏しく、
「働いても働いても賃金は上がらない」とか逆に「安定した家庭に生まれてそこそこでいい」という価値観が強まり、
ハングリーに何かを求める精神性が失われているのではと思っています。

時代の変化も伴って、「本業」よりも「副業」をしたいという人もいるでしょうし、
「旅行やゲーム」、「イラスト」など趣味に時間を割いて、
自分の時間を充実させたいと感じる人もいるでしょう。

前の世代では長い労働の後に同僚や上司と飲み会へ、
という仕事が生活の中心を占める状況でしたが、
労働時間や飲み会そのものも減って、
より「自分時間の充実」がZ世代のキーワードとなってきたようです。

さらに、「リスキリング」という言葉が流行っているように、
「生涯学習」が当たり前になった今だからこそ、
プライベートの時間に「資格勉強」をしたいと思う人もいるかもしれません。

以上のような変化が起こって、
Z世代は「ワークライフバランス」を重視するようになっているのでしょう。

一方、私の周りの大手ホワイト企業に勤める友人は、
「仕事が17時に終わって残業するほど仕事量がないので、そこから全くやることがなくて不安になる」こともあると聞いています。
また、IT企業に勤める知人も「職場があまりにも緩すぎて、成長や賃金が上がる見込みがなく、将来が不安」と悩みを口にしていました。

このように「ワークライフバランス」が整っている環境だったとしても、
「もっと働きたい」「もっと成長したい」と願う相反する感情がZ世代の中にもあるようです。

3.Z世代が好む働き方は?

続いて、Z世代が好む働き方について、紹介していきます。

・リモートワークVS出社

まずはコロナ禍以降、一般的になった「リモートワーク」と、
それまでの主要な働き方だった「出社」についてです。

個人的には「リモートワーク」と「出社」が半々ぐらいが最も生産性が高いと感じています。

前職は毎日「出社」が必要な環境だったのですが、
毎日往復で2時間の通勤時間やなかなか作業に集中できなかったり、
自宅でプライベートや家事の時間がほとんど取れなかったりと、
毎日の「出社」は会社のエゴでしかなく、本質的ではないと感じていました。

かと言って、完全「リモートワーク」だと、ちょっとした雑談や相談がかなりしづらいため、
それはそれで生産性が下がってしまうということもあると思います。
アメリカなどの大企業は対面で発生する雑談からアイディアが生まれることを非常に重視しており、
「雑談が快適になるスペース」を意図的に設置しているそうです。

さらに、コロナ禍以降に入社したここ数年のZ世代は、
入社直後からリモートワークで、仕事を先輩から十分に教えられず不安を感じたり、
成長が鈍化していると感じることもあると聞きました。

実際の研究でも、仕事の生産性が最も上がるのは「リモートワーク」と「出社」が半々だったケースと結果が出ており、
「リモートワーク」で一人での作業に集中し、身体の負担が少ない日と、
「出社」で周りのメンバーと関係性を深め、雑談したり普段の悩みを相談する日を作るのが、
合理的に考えて最も良い働き方だと感じます。

Z世代は単なる会社の自己満足ではなく、
合理的に働き方を選ばせてほしいと思っているのです。

・飲み会には参加したい?

Z世代は飲み会について、どのように捉えているのでしょう。

上の年代では「飲みニーケション」という言葉もあったように、
上司や取引先の相手と飲みに行くことは当たり前で、
「飲み会」の席でのマナーなどもしっかり教育されていたと思います。

一方で、Z世代はよく「飲み会に行きたくない」や「お酒をそれほど飲まない」など、
飲み会に関するアンケートで参加に対して消極的な声が多かったりします。
Z世代の1人である私の意見としても、
「飲み会」が面倒だという気持ちはたしかによくわかります。

普段仕事の話しかしない同僚たちと関係が深まることを好意的に感じる一方、
飲み会特有のゲームやセクハラに近い発言や行為が起こるという話も聞くと、
億劫な気持ちを感じることがあります。

また、私自身が至らないだけなのですが、飲み会特有のマナーも面倒に感じてしまいます…。
社会人である以上、必要なことだとは感じていますが、
個人的な意見として形式だけの不要な慣習は失われてもいいのではないか、と思っています。

・年収VS居心地

Z世代は働く場所やキャリアについて考える時に、
年収と居心地の良さ、どちらを重視して選ぶのでしょうか。

これは人によっても様々かと思います。
私個人の意見としては、「①年収 ②居心地」の順番で優先順位を考えます。

前職で働いていた職場は待遇もよく、非常に居心地の面でもすばらしかったのですが、
やはり将来的な貯蓄や自分のキャリアを考えた時に、
それでも年収を上げてキャリアもアップしたいと考え転職を決めました。

また、Z世代にとって、現在は非常に税金で持って行かれる額が大きく、
かつ物価高の影響で生活が苦しいと感じたり、
SNSなどで他の人の暮らしが見えやすくなっているので、
自分と他者を比較して、「年収を上げる転職をしたい」と感じることもあるでしょう。

アットホームな職場であることや居心地の良さも大事な要素の一つではありますが、
Z世代の若者は意外とシビアに職場を判断していると思われます。

・副業前提

Z世代の若者は、本業で働きながら、
ある程度副業を前提に考えている人も多いでしょう。
実際、私の友人でも大手企業で働きながら、
会社を経営している人もいますし、
会社を「YouTubeをやりたいから」という理由で退職していった方もいます。

以前と比べ、働き方が多様になり、
個人でも起業をしたり、インフルエンサーになったり、フリーランスとして活躍できる時代になっています。

必ずしも会社で働き続けて、昇進をしていこうという考えだけでなく、
自分がやりたいことをしながら、会社で働いたり、会社以外にキャリアを求めていたりする人も多くなっていくでしょう。

Z世代の若者にとっても副業ができる会社で働けることは、
柔軟な姿勢を持っている会社だと捉えられ、プラスの側面に感じます。

4.Z世代とうまく付き合うコツ

最後にここまで紹介してきたような価値観を持つ、
Z世代の若者たちとどう仕事で付き合っていけば良いか解説していきます。

大事なことは「杓子定規に当てはめない」「現実的な解決策を示す」の2つです。

何度も述べたように、Z世代はSNSの普及や様々な時代の変化によって、
より「個人の人生や価値観を重んじて働いている」と言えます。

つまり、以前の時代のように、
「文系だから○○」とか「女だから✕✕」とか、
「若手だから△△」とか「俺の時代はこうだった」とか言われると、
非常にゲンナリしてしまいます。

そして、そういう価値観に対して嫌悪感を抱いてしまうこともあるかもしれません。
Z世代は決してやる気がないわけではなく、
自分が一番輝ける環境で強みを活かし、尊重されて働きたいと考えており、
それが理解されないと本人にとっても辛く、会社にとってもマイナスになってしまうでしょう。

下手をすると早期離職ということにもなり兼ねません。
「Z世代は我慢できない」とか「わがままだから」ということではなく、
単純に価値観が異なっており、
にも関わらずディスコミュニケーションの状態なのだと思います。

また、そういうZ世代に対して、
「頑張ればどうにかなる」とか「やる気を出せ」とかいう精神論で解決しようとしても、
失敗に終わることが多いと思います。

Z世代は自らたくさんの情報を集められる世代なので、
周囲の状況と自分の状況を比較して、物事を現実的にシビアに判断していますし、
そういう現実的な解決策を求める相手に、
根性論や精神論を話しても意見が食い違ってしまうだけです。

もちろんZ世代といっても様々なタイプの個人がいるので、
一概には言えませんが、
以上のようなことを意識して、
とにかく「相手が何を求めているのか」考えて接していくことが重要だと思います。
(これはZ世代に限らずかもしれませんが…)

5.まとめ

今回は、Z世代が持つ仕事への価値観について解説してきました。

いかがだったでしょうか?

読んで共感する同年代の方も、
全く共感できなかったという方も、
上の世代でコミュニケーションに困っているという方も、
様々な方に少しでも参考にしていただければ幸いです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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